04年の夏の甲子園は、早くから有力校同士の対決があったり、下馬評の高くなかったチームの活躍もあり、駒大苫小牧の初優勝で幕を閉じました。日大三−PL学園(二回戦)や、横浜−明徳義塾(三回戦)は、準決勝や準々決勝くらいで見てみたかったカードですね。
投手が思うような投球が出来ず、また守備が乱れてワンサイドになる試合が特に序盤に良く見られたのが非常に残念です。
ここでは、04年の夏の甲子園で活躍したチームを幾つか取り上げてみたいと思います。
・駒大苫小牧(南北海道・優勝)
この高校は03年の大会で、倉敷工に8対0とリードしながら降雨ノーゲームとなり、翌日の試合で惜敗すると言う悔しさも味わいました。
大会前に優勝候補として挙げた人は、ほとんどいなかったと思います。まずは初戦突破してチームとしての甲子園初勝利と、北海道勢夏50勝目と言うのが差し当たっての目標でした。
優勝した一つの要因として、岩田くんと鈴木くんの二人の投手で勝ち抜いてきた事があると思います。
最近では打撃技術は全体的に向上してきているし、夏の暑さや試合数を考えると、一人の投手で決勝まで勝つのは非常に困難な事だと思います。加えて、春と違って実戦経験を充分積んで地方大会で勝った勢いに乗ってくる訳ですから、なおの事抑えるのは厳しいでしょう。
それを考えると、二枚看板がいた事は駒大苫小牧にとって大きな強みでした。
出場校の中では地方大会の打率は平凡(.348)でしたが、甲子園では打線が記録的な猛打(.448)を発揮し、打ち勝つ試合が多かったですね。済美の鵜久森くんほどの打者はいなかったものの、繋ぐバッティングが随所で見られました。
失点が多く、チーム防御率は5.60でしたが、守備は5試合でわずか1失策と必要以上の失点は食い止めたのも勝因の1つです。ましてや、この大会の場合は失策で崩れていくチームが続出しただけに尚更評価できます。
また、何点取られても、リードされても諦めなかった精神力も勝利を呼び込んだと思います。
この大会では、東北によって優勝旗が「白河の関(※1)」を越えるか、と注目されましたが、結果的には津軽海峡も越しましたね。
※1:白河の関・・・東北の南端・福島県白河市にある関所。今は公園になっています。古くから東北の玄関口として有名でした。
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